本校が参加したフグ研究の成果が国際学術誌『iScience』に掲載されました
本校が日本大学などと取り組んできた共同研究の成果が、令和8年8月19日、国際学術誌『iScience』で公開されました。本校教員も論文の共著者として研究に参加しています。
研究成果のタイトル
フグ仔魚の新たな生存戦略を解明
―ほぼ毒性のないフグ毒類縁体「TDT」が捕食者を瞬時に退ける「警告シグナル」として機能―
研究成果の概要
今回の研究では、クサフグの仔魚(ふ化後間もない時期)が、猛毒のテトロドトキシン(TTX)だけでなく、ほぼ毒性のない類縁体「5,6,11-トリデオキシテトロドトキシン(TDT)」も利用して、捕食者から身を守っていることが明らかになりました。
TDTはクサフグ仔魚の体表に存在し、捕食魚が仔魚を口に入れた瞬間、味覚を通じた「警告シグナル」として働きます。実験では、捕食魚がTDTを持つ仔魚を口に入れても、すぐに吐き出すことが確認されました。
猛毒のTTXによる防御と、TDTによって捕食者に危険を知らせる防御が互いを補う、フグ仔魚の「2段構えの生存戦略」が示されました。
本校が担った役割
本校は約5年間、日本大学と連携してクサフグの研究に取り組んできました。
天然のフグは、餌などを通じて外部環境からフグ毒を取り込むため、保有する毒の量には個体差があります。そこで本校では、高校生が「フグ毒を保有しないクサフグ」の種苗生産を担当し、実験に使用する供試魚として共同研究グループへ提供してきました。
フグ毒を保有しないクサフグに、種類や量をそろえてフグ毒を与えることで、どの程度の毒が蓄積するのか、また、毒が体内のどの組織へ移行するのかを、条件をそろえて調べることができます。
さらに、日本大学と本校の栽培臨海実習棟において、毒化実験(クサフグにフグ毒を与えて体内に取り込ませる実験)を実施しました。高校生は、保有させるフグ毒の種類が異なるクサフグを区分し、継続的な飼育・管理を担当しました。
本校で日頃から取り組んでいる種苗生産や飼育管理の技術が大学等との共同研究を支え、今回の論文発表につながりました。
高校での学びを研究成果へ
高校での実習が、大学の研究者による専門的な分析や実験と結び付き、新たな研究成果として社会に発信されたことは、本校の特色ある教育活動を示す成果です。
本校では今後も大学や研究機関との連携を生かし、水産生物について実践的に学ぶとともに、生徒が科学的に考え、探究する教育活動を推進してまいります。

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